20センチュリー・ウーマン (原題: 20TH CENTURY WOMEN)
- 評価
- 4.0
- 感想一言
- 不器用な母や取り巻く人たちとの心の交流を通して、穏やかに思春期の男子の心の成長を描いている味わい深い作品
作品情報
- 制作
- 2016年/アメリカ
- 配給
- ロングライド
- 上映時間
- 118分
- 映倫区分
- PG12
- 監督
- マイク・ミルズ
- 脚本
- マイク・ミルズ
- 音楽
- ロジャー・ネイル
- 日本語字幕
- 高内朝子
- キャスト (出演)
- アネット・ベニング: ドロシア / エル・ファニング: ジュリー / グレタ・ガーウィグ: アビー / ルーカス・ジェイド・ズマン: ジェイミー / ビリー・クラダップ: ウィリアム
あらすじ
1979年のカリフォルニア州サンタバーバラを舞台に、55歳のワーキングマザー兼シングルマザーのドロシアと15歳の一人息子のジェイミーを中心におりなす、関わる人々の心の交流のドラマ。
彼らの周りにいる二人の女性、一人はドロシアの家で間借りをする24歳の写真家のアイビー、もう一人は、ジェイミーの二つ歳上の幼なじみのジュリー、彼女たちにドロシアが息子ジェイミーの教育係を頼むところから物語が始まります。
感想
先行上映に行くことができ、上映より一足先に観てきました。
思春期を迎え難しい多感な時期の息子と母親との交流、そして息子の成長というところで、正直あまりないシチュエーションだなと思いました。
15歳前後の男子を描く時って、冒険的な話とか暴力的では無いけれど血気盛んな話が中心なものが多い印象があります。 しかし、この作品は背景からしてその様な感じがなく、実際そんな激しい殴り合い的なものがありません。 けれども、きちんとジェイミーの心の成長が垣間見られ成長しているなと感じられるという作品です。
生活環境としては、母と息子以外に同居人がいたり、思春期の男子には気になってしまうちょっと歳上の幼なじみがいたりと、ありそうでなさそうな環境。
そんな中、ドロシアからアイビーとジェイミーへのお願いは、シングルマザーの母親としては苦肉の策と思うのですが男親代わりになぜ同じ同居人のウィリアムに頼まないのかという、突飛というかユニークですね。
二人の反応はとても普通ですが、それでもお願いされた以上は、むげにもできず気にかけてジェイミーと接していくところが、ジェイミーが好きでいい方達だなと。
男子にもまれてばかりでなくても、ジェイミーが色々なことを吸収し成長していくのがいいですね。 軟弱に育つのではなく、ちゃんと自分の考えをもって自分の描くちゃんとした男性に成長したいと考えているところが偉いなと。
ヒューマンドラマが好きな方には、お薦めの作品です。
観る人の世代や経験などでもいろいろと感じることができる作品ではないかなと思います。
鑑賞記録
新宿ピカデリー / シアター5 / B-14