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今日も嫌がらせ弁当

お気に入り度
5.0
感想一言
母の強さと愛情を感じ、母と娘たちの絆を感じる

作品情報

制作
2019年/日本
配給
ショウゲート
上映時間
106分
映倫区分
G
監督
塚本連平
原作
Kaori (ttkk)
脚本
塚本連平
キャスト (出演/声の出演)
篠原涼子: 持丸かおり / 芳根京子: 持丸双葉 / 松井玲奈: 持丸若葉 / 佐藤寛太: 山下達雄 / 岡田義徳: 持丸島次郎 / 村上知子: 浩実 / 佐藤隆太: 岡野信介 / ダンディ坂野 (声の出演) / 小島よしお (声の出演) / スギちゃん (声の出演) / 橋本小雪 (声の出演) / 中野聡子 (声の出演)
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予告

あらすじ

八丈島が舞台。 夫を事故で亡くしシングルマザーとなった持丸かおりは、長女の持丸若葉が高校卒業後は一人暮らしを始めたため、今は次女の持丸双葉と二人で暮らしていた。
夫をなくした後は、母親の細腕一つで2人の娘を育て来たわけだが、長女の 若葉 とは一人暮らし始めた後も同じ職場で働いていて仲良くやっているものの、次女の 双葉 は反抗期まっ盛りで、口も聞かなければ目も合わせない。 目の前にいても LINE で話してくるというじょうたい。
中学卒業し高校に入学するところから物語ははじまる。
高校入学の初日、母は思いつき娘の双葉の嫌がることを、娘が態度を改めるまで続けようと思い至る。 その嫌がることと言うのが、キャラ弁を作ると言う事だった。

感想

実生活でも二人の男の子の母親でもある篠原涼子さん。 最近の作品だと、2018年の「人魚の眠る家」でも幼い娘の母親役を演じられていましたが、今作は全く別のタイプの母親役。

学校では “クール” でとおっている次女の 双葉 に、嫌がらせとしてキャラ弁 (嫌がらせ弁当) を作ることにした母 かおり。 ここまで女手一つで育ててきた かおり の強さがあると思うが、「うざ・・・・・・」と呟くものの「負けるみたいで嫌だ」と間食する娘も、母親譲りのがんこで強い意志の持ち主なのではないかと思った。
そんな二人の日常だが、長女の 若葉 の存在も忘れてはいけないように思う。 一対一だと衝突しても逃げ道がなかったりするのだが、姉妹の姉である 若葉 が一人暮らしをしているからこそ、妹の 双葉 が母と大ゲンカした後は姉のところに逃げ込める隙ができていて、うまく家族のバランスが取れているのかなと思った。

また、嫌がらせ弁当と言っても、そこは母親の作るお弁当。 母が愛情込めて作っているからこそ、すぐには響かずともお弁当を通して母から娘 双葉に語りかけ、そして実は親子の絆を育んでいたんだなぁと思いました。
ただしそこに、その時々のユーモアや時には嫌がらせがスパイスとしてキャラ弁に込められているのはご愛敬というところか。 いろいろと出てくるキャラ弁は、やはり必見と思う。

かおり の、朝 双葉 を起こす時の妙なダンス、ユーモアの片鱗がうかがえる気がする。 そしてあのダンスは、実際に作者の Kaori さんが踊っていたらしい。 そんな話を、「王様のブランチ」でのインタビューの際に、篠原涼子さんが話をされていました。 また親子げんかのシーンでは、双葉 役の芳根京子さんは、大先輩に物を投げるということで、金具無し, 柔らかい物など投げるものにかなり気をつかった、と言う事を話されていました。

一方で八丈島が舞台ということもあり、八丈島の綺麗な景色の数々、そして八丈島ならではの食べ物が映し出されます。 島寿司や明日葉の天ぷらなど映った時は、映画とは関係なく食欲がそそられてしまいました。

反抗期まっ盛りの娘と母の親子げんかと言う事で、見る立場や視点を変えることで共感を覚えるシーンも少なくなく、随所で思わず笑ってしまいます。 笑ってしまうのだけれど、次のシーンではじ~んときたり。 クライマックスになるに従い、笑いだけでなく涙腺が刺激される場面が所々であるのですが、それは劇場で堪能いただければと。

世代問わず、楽しめ、ほっこりもし、そして親子の愛情に胸が熱くもなる、とても良い作品だと思います。
よろしければ、ぜひ劇場でご覧下さい。

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鑑賞記録

TOHOシネマズ新宿 / スクリーン1 / C-5